こんにちは、くのへ @MasazaneKunoheです。
日曜日の機械紹介シリーズ。
今日はモータ(全閉外扇:ぜんぺいがいせん)です。(リプ纏めはこちら)
ウチの近くの工場地帯で発見
ウチの近くの工場地帯を散歩していたら、、、
発見!!
↓これこれ!!
モータです!!
パット見た感じ、左の方は10~30kWくらいのモーターですね~
右の方は、数kWクラスかな~
このモータ、「全閉外扇(ぜんぺいがいせん)」型のモータです。
全閉外扇とは
全く聞きなれない単語だと思います。
全閉外扇というのは、
『モータの内部には水の飛沫が入らないような構造で(全閉)、外からファンで冷やしている(外扇)』
っていう意味です。
はい。やっぱりまだ意味不明ですね。
モータのひだひだ
写真のモータに「ひだひだ」がついてますよね?
あれって、何のために付いているか知っていますか?
あれは、放熱のための「ひだ」です。
モータは大電流が流れるため、かなり発熱します。
そして、モータの内部はサウナ状態です。
そこで、内部を冷やすために、ひだひだを付けて放熱効率を上げているわけです。
ファンが付いてる
単にひだひだが付いているだけだと、ほとんど放熱してくれないので、↓ここに扇風機みたいなファンが入っています。
(↓イメージ図。もっと多く羽が付いているかも。)
このファン、モータの回転軸にくっついているので、モータが回ると一緒に回ります。
↓モータ分解イメージ図
矢印マーキング部に注目。
ファン(黒いやつ)をモータの回転軸にくっつけるので、モータが回るとファンも一緒に回る
そのため、モータが運転して発熱する時には必ず風を送り、「ひだひだ」をガンガン冷却する仕組みです。
↓空気の流れを青矢印で模してみた
モータの外部にファン(扇)を設置するから、「外扇」と言います。
「全閉」って?
全閉を理解するためには、全閉以外の型式を見れば分かりやすいです。
じゃん!!
そう、穴開いているんです。
この型式は、外気を取り込んで内部を冷やします
ものによっては内部にファンを設置して外気を積極的に取り込みます(内扇:ないせん)
この型式は「ひだひだ」はつける必要がないのでついてません。
この型式を「開放防滴」もしくは「防滴保護」と言います。
詳細は割愛しますが、上方から斜め30度で水滴が滴下しても内部に水分が入り込まない様になってます。(胴体の穴の位置などに注目!)
話を先ほどに戻すと、このようにモータに穴が開いていないので、「全閉」と言います。
全閉外扇モータってどこに使われるの?
全閉外扇モータは、内部に水やほこりが入らないメリットがあるのですが、開放防滴よりもやや高価になります。
そこで、屋外やほこりっぽい工場によく使われます。
私が写真撮ってきた場所も屋外だったので、開放防滴は使えなかったんでしょうね~
ちなみに
JEC 2137という規格でIP番号(:Ingress Protection)分類されていて、一般的には開放防滴はIP22、全閉外扇はIP44と表示されます。
↓詳しくはこちら
たま~に携帯電話で「IP55で防水機能は問題なし!」などという話が出たりしますね。
電気製品なので、水分侵入による故障は避ける必要があり、定量的に規格になって性能表示されているんですね。
今日はここまで~
モータ(全閉外扇型)でした
モータはかなり色んな技術要素があるので、そのうちモータ(誘導電動機)のように、別な切り口で紹介するかもしれません。
ではまた来週~
🦅バサバサ