026 プレストレストコンクリート

こんにちは、くのへ@MasazaneKunoheです。

日曜日の機械紹介シリーズ。
今日は「プレストレストコンクリート」です。

うちの近所で大規模工事始まってます

大阪から神戸を通る高速道路がいつも混んでいるので、高速道路をもう一本増やす事業が進められています。

その名も「大阪湾岸道路西伸部事業(リンク先はパンフレット)」。

こちらの図のように、高速道路を1本通し、超混雑する三宮(京橋)を通らずに須磨の方に抜けるルートです。

海上を通すので、かなり大規模な工事になります。

今日紹介するのは、この「橋」に使われる「プレストレストコンクリート」です。

プレストレストコンクリートとは

鉄筋コンクリートって聞いたことありますよね?コンクリートに鉄筋を入れて強度を高めたものです。

そもそも、コンクリートは「引っ張りに弱い」と一般的に言われています。

「引っ張り?コンクリートは上に乗るので圧縮では?」と思う方もおられるかもしれません。

その方は下の図を見て頂ください。加重がかかると裏面に伸びる力(=引っ張り力)が掛かるのです。

そのためヒビが入ったりします。鉄筋コンクリートは、鉄筋を入れて引っ張りに対する強度を上げているんです。

ここで、重要なのはコンクリートを壊す力というのは「引っ張り」の力なのです。

プレストレストコンクリートとは

鉄筋コンクリートの強度をさらに上げたものがプレストレストコンクリートと呼ばれるものです。

どのように強度を上げているかというと、、、

予め圧縮の力を掛けておくんです

下の図のように、シース(筒)の中に太い鉄線を入れ、その鉄線をジャッキでギュッと引っ張って、留め具で固定すると、常に両サイドから圧縮するような力が掛かります。

出典:http://daiei-pc.jp/pc-right.htm

このように、あらかじめ圧縮の力をかけておくので、
「プレ(pre:あらかじめ)」
「ストレスト(stressed:応力が掛かった)」
「コンクリート(concrete)」
で「プレストレストコンクリート」です。

メリットは?

プレストレストコンクリートは強度が高いので、普通のコンクリートや鉄筋コンクリートよりも少ないコンクリート量で同等の強度が出ます。

ということは、軽く作れます

これは橋には超重要な要素です。
つり橋の吊りワイヤーを減らせますし、耐震性も良くなります。結果として橋の柱を細くすることができ、コストにかなり効きます。

実際の写真

いくつか写真が手に入りました(出典はすべてこちらのサイト様です)

こちらは工場で作ったプレストレストコンクリートを釣り上げて乗せる工法です。
こんな感じで現場でコンクリートを打設するのではなく、あらかじめ作っておいたコンクリートを運んで、組み立てる工法が橋の工事でも採用されているはずです。

こちらは工場で作るのではなく、現地でコンクリートを打設するパターンですね。
シースを這わせているところです。こんなに大規模なの!?と思いませんか?

これが引っ張るジャッキですね。シースから出てくる鉄線をこれでグイっと引っ張る感じです。すごい工事だなぁ🤔


以上。
今日はプレストレストコンクリートでした~
(アイキャッチ画像の出典はこちらのサイト様

予め圧縮力をかけておくって、面白い技術だと思いませんか?
橋のコンクリートにはこんな技が隠れていたんですね~

ではまた来週~
🦅バサバサ~

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