009 スクリュー式コンプレッサ

こんにちは、くのへ@MasazaneKunoheです。

日曜日の機械紹介シリーズ。

今日は「スクリュー式コンプレッサ」です。

コンプレッサ発見!!

ウチの近所の工場ゾーンを散歩していたら、、、

鳥小屋みたいな建物に機械が飼われてる☺

この雰囲気は、、、コンプレッサだ!!

私の変態EYEは、ここにスクリューって書いていることを見逃さないよ!!

「電気盤っぽくない四角いパッケージマシン」、「スクリューと書いてある」、この2点から、こいつはコンプレッサっぽい!!って分かります

後日調べましたが、こいつはやはりコンプレッサでした

コンプレッサとは

コンプレッサというのは「空気圧縮機」のことです。

機械の中には空気で動くピストンなどがあり、その動力源となる圧縮空気を生み出す機械です。

スクリュー型というのは、次の図のような2つのネジの回転を使います。

ネジとネジの間で、空気がぶちゅッと潰されながら進むことで、圧縮空気が作られる、という仕組みです。

コンプレッサの中身

さっきのコンプレッサの中を変態EYEで見ると、、、

見える!見えるぞ!!!

はい、嘘です。

この図はインターネット上で手に入れました。

しかし、これ見ても、ちょっと分からないですよね~

この日立製のHiSCREWという型式は、詳細な資料が手に入りませんでした。でも、よく似たコンプレッサの資料が↓こちらの「アネスト岩田」社様のHPに掲示されていました。

給油式スクリューコンプレッサ15〜37kW

↓こちらがその図です。

やっぱり分からんw

事項でこいつの解説をします

コンプレッサ構成について

コンプレッサのメインは↓この2つのネジの部分です。

この空気圧縮空気をそのまま使えるかというと、以下理由のために使えません。

①空気に作動油が混ざっている

⇒そのまま使うと機械がべとべとになって壊れる

②空気が圧縮されたことにより、かなりの高温になる

⇒そのまま使うと機械が壊れる

③作動油が空気から熱を受け、高温となる

⇒そのままにするとコンプレッサが高温になって壊れる、または油がファイヤーする

この②ですが、空気を圧縮すると相当高温になります。例えば、空気を8気圧まで昇圧すると、なんと理論上は250℃近くなります。

これらの課題解決のため、以下装置をセットします。

A. 油を除去する装置

B. 空気を冷やす装置

C. 油を冷やす装置

これで対策OKと思いきや、B項の装置を設けたことで、新たにもう一つ問題が生じます。

なんと、圧縮空気が結露します。

意味わからんw

でも、圧縮して高温となった空気を冷却すると、空気の中の水分が水滴になっちゃうんです。

ということで、さらに次の装置を付けます。

D. 湿分を除去する装置

図で解説

まずは吸気からスクリューで昇圧されるところまで。

「吸込みフィルタ」と書いてあるところから外気を取り込みます。

ホコリを吸い込まない様にフィルタが付いているんですね。

次に、スクリューで圧縮された油ミストが含まれた高温空気はセパレータタンクに送られます。

セパレータタンクは真ん中くらいまで2重筒構造になっていて、外周をぐるぐるする流れを生み出すことで、油を遠心分離します。

ここがAの装置の一部です。

次に「セパレータエレメント」と書いてある装置でミスト状の細かい油を除去します。

セパレータエレメントと書いてありますが、これもフィルターです。

最後に、油を分離した高温空気を外気で冷却します。

油も冷却する熱交換器が付いていて、同じファンで送風して冷却します。

冷却すると、圧縮空気は結露するので、その水分を除去する装置が最後についています。

こう見ると、コンプレッサーの構造が分かると思います。

2段冷却式コンプレッサーというのもあるぞ

上記は最後に空気を冷却する「1段冷却式コンプレッサー」という例でしたが、割と2段冷却式コンプレッサーというものが産業界ではメジャーです。

下の図のように、一気に空気を高圧圧縮するのではなく、2段に分けて圧縮します。

その1段目と2段目のスクリューの間に「インタークーラ」という熱交換器を設けて空気を冷却する方式です。

これを採用すると2段目のコンプレッサが高温にならずにすみます。

さらに効率が上がる(省エネになる)という不思議な現象が起きます。

そのため、高圧空気を大量に作る必要がある産業では、2段コンプレッサが使用されることが多いです。

アンロード運転

最後に専門性の高い話を一つ。

上の図には「アンロード」という単語も出ていますね。

コンプレッサーを「運転待機状態」にする運転状態を「アンロード」や「アンロード運転」と言います。

「運転待機状態」というのは、モータは回転運動していて、スクリューも回っているけど、圧縮空気を生成させずに省エネする運転状態のことです。

どうするかというと、上の絵でコンプレッサのスクリューの後ろを大気開放するんです。(大気圧になるように開け放つんです)

すると、空気は圧縮されないので、スクリューを回転させるモータとしては「重くない」状態になり、殆どエネルギーを消費しなくなります。こうしてスクリューは回転したままでエネルギーをあまり使わない「運転待機状態」にすることが出来ます。

(なんてマニアックな。。。)


以上。

今日はスクリュー式コンプレッサでした。

解説がマニアックすぎたような気がする。。。

ではまた来週~

🦅バサバサ~

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資料

①空気圧縮によって何度まで昇温するかが開設されているページ

わたしも計算したことがありますが、8気圧まで圧縮すると250℃超えます

圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その2:吸込み温度の低減) | 省エネQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

②コベルコさんのコンプレッサ取説

コベルコさんのコンプレッサ取説をDL出来ます。ありがたや~

https://shopping.geocities.jp/hokusho-shouji/pdf/kobelco.pdf

③Tech Noteさんのページ

すごくよくまとまっています。

東京電機大学の先生が執筆しているそうです

NCの基礎知識 | Tech Note(テックノート)

④日立のスクリューコンプレッサが売ってた

いつまでこのページがあるか分かりませんが、今回紹介した日立のコンプレッサの類似機が25万くらいで売ってました

https://www.vldnb.xyz/product.php?id=246622&ck=1

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