こんにちは、くのへ@MasazaneKunoheです。
日曜日の機械紹介シリーズ。
今日は「プレストレストコンクリート」です。
うちの近所で大規模工事始まってます
大阪から神戸を通る高速道路がいつも混んでいるので、高速道路をもう一本増やす事業が進められています。
その名も「大阪湾岸道路西伸部事業(リンク先はパンフレット)」。
こちらの図のように、高速道路を1本通し、超混雑する三宮(京橋)を通らずに須磨の方に抜けるルートです。
海上を通すので、かなり大規模な工事になります。
今日紹介するのは、この「橋」に使われる「プレストレストコンクリート」です。
プレストレストコンクリートとは
鉄筋コンクリートって聞いたことありますよね?コンクリートに鉄筋を入れて強度を高めたものです。
そもそも、コンクリートは「引っ張りに弱い」と一般的に言われています。
「引っ張り?コンクリートは上に乗るので圧縮では?」と思う方もおられるかもしれません。
その方は下の図を見て頂ください。加重がかかると裏面に伸びる力(=引っ張り力)が掛かるのです。
そのためヒビが入ったりします。鉄筋コンクリートは、鉄筋を入れて引っ張りに対する強度を上げているんです。
ここで、重要なのはコンクリートを壊す力というのは「引っ張り」の力なのです。
プレストレストコンクリートとは
鉄筋コンクリートの強度をさらに上げたものがプレストレストコンクリートと呼ばれるものです。
どのように強度を上げているかというと、、、
予め圧縮の力を掛けておくんです
下の図のように、シース(筒)の中に太い鉄線を入れ、その鉄線をジャッキでギュッと引っ張って、留め具で固定すると、常に両サイドから圧縮するような力が掛かります。
このように、あらかじめ圧縮の力をかけておくので、
「プレ(pre:あらかじめ)」
「ストレスト(stressed:応力が掛かった)」
「コンクリート(concrete)」
で「プレストレストコンクリート」です。
メリットは?
プレストレストコンクリートは強度が高いので、普通のコンクリートや鉄筋コンクリートよりも少ないコンクリート量で同等の強度が出ます。
ということは、軽く作れます。
これは橋には超重要な要素です。
つり橋の吊りワイヤーを減らせますし、耐震性も良くなります。結果として橋の柱を細くすることができ、コストにかなり効きます。
実際の写真
いくつか写真が手に入りました(出典はすべてこちらのサイト様です)
こちらは工場で作ったプレストレストコンクリートを釣り上げて乗せる工法です。
こんな感じで現場でコンクリートを打設するのではなく、あらかじめ作っておいたコンクリートを運んで、組み立てる工法が橋の工事でも採用されているはずです。
こちらは工場で作るのではなく、現地でコンクリートを打設するパターンですね。
シースを這わせているところです。こんなに大規模なの!?と思いませんか?
これが引っ張るジャッキですね。シースから出てくる鉄線をこれでグイっと引っ張る感じです。すごい工事だなぁ🤔
以上。
今日はプレストレストコンクリートでした~
(アイキャッチ画像の出典はこちらのサイト様)
予め圧縮力をかけておくって、面白い技術だと思いませんか?
橋のコンクリートにはこんな技が隠れていたんですね~
ではまた来週~
🦅バサバサ~