こんにちは、くのへ@MasazaneKunoheです。
日曜日の機械紹介シリーズ。
今日は「スクリュー式コンプレッサ」です。
コンプレッサ発見!!
ウチの近所の工場ゾーンを散歩していたら、、、
鳥小屋みたいな建物に機械が飼われてる☺
この雰囲気は、、、コンプレッサだ!!
私の変態EYEは、ここにスクリューって書いていることを見逃さないよ!!
「電気盤っぽくない四角いパッケージマシン」、「スクリューと書いてある」、この2点から、こいつはコンプレッサっぽい!!って分かります
後日調べましたが、こいつはやはりコンプレッサでした
コンプレッサとは
コンプレッサというのは「空気圧縮機」のことです。
機械の中には空気で動くピストンなどがあり、その動力源となる圧縮空気を生み出す機械です。
スクリュー型というのは、次の図のような2つのネジの回転を使います。
ネジとネジの間で、空気がぶちゅッと潰されながら進むことで、圧縮空気が作られる、という仕組みです。
コンプレッサの中身
さっきのコンプレッサの中を変態EYEで見ると、、、
見える!見えるぞ!!!
はい、嘘です。
この図はインターネット上で手に入れました。
しかし、これ見ても、ちょっと分からないですよね~
この日立製のHiSCREWという型式は、詳細な資料が手に入りませんでした。でも、よく似たコンプレッサの資料が↓こちらの「アネスト岩田」社様のHPに掲示されていました。
↓こちらがその図です。
やっぱり分からんw
事項でこいつの解説をします
コンプレッサ構成について
コンプレッサのメインは↓この2つのネジの部分です。
この空気圧縮空気をそのまま使えるかというと、以下理由のために使えません。
①空気に作動油が混ざっている
⇒そのまま使うと機械がべとべとになって壊れる
②空気が圧縮されたことにより、かなりの高温になる
⇒そのまま使うと機械が壊れる
③作動油が空気から熱を受け、高温となる
⇒そのままにするとコンプレッサが高温になって壊れる、または油がファイヤーする
この②ですが、空気を圧縮すると相当高温になります。例えば、空気を8気圧まで昇圧すると、なんと理論上は250℃近くなります。
これらの課題解決のため、以下装置をセットします。
A. 油を除去する装置
B. 空気を冷やす装置
C. 油を冷やす装置
これで対策OKと思いきや、B項の装置を設けたことで、新たにもう一つ問題が生じます。
なんと、圧縮空気が結露します。
意味わからんw
でも、圧縮して高温となった空気を冷却すると、空気の中の水分が水滴になっちゃうんです。
ということで、さらに次の装置を付けます。
D. 湿分を除去する装置
図で解説
まずは吸気からスクリューで昇圧されるところまで。
「吸込みフィルタ」と書いてあるところから外気を取り込みます。
ホコリを吸い込まない様にフィルタが付いているんですね。
次に、スクリューで圧縮された油ミストが含まれた高温空気はセパレータタンクに送られます。
セパレータタンクは真ん中くらいまで2重筒構造になっていて、外周をぐるぐるする流れを生み出すことで、油を遠心分離します。
ここがAの装置の一部です。
次に「セパレータエレメント」と書いてある装置でミスト状の細かい油を除去します。
セパレータエレメントと書いてありますが、これもフィルターです。
最後に、油を分離した高温空気を外気で冷却します。
油も冷却する熱交換器が付いていて、同じファンで送風して冷却します。
冷却すると、圧縮空気は結露するので、その水分を除去する装置が最後についています。
こう見ると、コンプレッサーの構造が分かると思います。
2段冷却式コンプレッサーというのもあるぞ
上記は最後に空気を冷却する「1段冷却式コンプレッサー」という例でしたが、割と2段冷却式コンプレッサーというものが産業界ではメジャーです。
下の図のように、一気に空気を高圧圧縮するのではなく、2段に分けて圧縮します。
その1段目と2段目のスクリューの間に「インタークーラ」という熱交換器を設けて空気を冷却する方式です。
これを採用すると2段目のコンプレッサが高温にならずにすみます。
さらに効率が上がる(省エネになる)という不思議な現象が起きます。
そのため、高圧空気を大量に作る必要がある産業では、2段コンプレッサが使用されることが多いです。
アンロード運転
最後に専門性の高い話を一つ。
上の図には「アンロード」という単語も出ていますね。
コンプレッサーを「運転待機状態」にする運転状態を「アンロード」や「アンロード運転」と言います。
「運転待機状態」というのは、モータは回転運動していて、スクリューも回っているけど、圧縮空気を生成させずに省エネする運転状態のことです。
どうするかというと、上の絵でコンプレッサのスクリューの後ろを大気開放するんです。(大気圧になるように開け放つんです)
すると、空気は圧縮されないので、スクリューを回転させるモータとしては「重くない」状態になり、殆どエネルギーを消費しなくなります。こうしてスクリューは回転したままでエネルギーをあまり使わない「運転待機状態」にすることが出来ます。
(なんてマニアックな。。。)
以上。
今日はスクリュー式コンプレッサでした。
解説がマニアックすぎたような気がする。。。
ではまた来週~
🦅バサバサ~
資料
①空気圧縮によって何度まで昇温するかが開設されているページ
わたしも計算したことがありますが、8気圧まで圧縮すると250℃超えます
圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その2:吸込み温度の低減) | 省エネQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
②コベルコさんのコンプレッサ取説
コベルコさんのコンプレッサ取説をDL出来ます。ありがたや~
https://shopping.geocities.jp/hokusho-shouji/pdf/kobelco.pdf
③Tech Noteさんのページ
すごくよくまとまっています。
東京電機大学の先生が執筆しているそうです
④日立のスクリューコンプレッサが売ってた
いつまでこのページがあるか分かりませんが、今回紹介した日立のコンプレッサの類似機が25万くらいで売ってました